今年のENSO予測 1/22/2017

今月の気象庁の監視速報によると、ラニーニャ現象は終息に近づいており、春にかけて平常の状態が続くとのことです。米国のNOAAも、2月までには平常の状態に戻ると言っています。一方、オーストラリアは相変わらず今もラニーニャは発生していないと言っています。

このように、各機関の予報官の経験や考え方などによって全く異なる見解になることもあるようです。では、我々は一体何を信用すればいいのかということになりますが、実際の数値や表、グラフを見て客観的に判断するしかありません。

モデルベースによる2017年のENSO予測

最近政権が入れ替わった米国には、IRI (International Research Institute for Climate and Society) という機関があり、そこでは予測モデルを集計したデータを定期的に公表しています。

それによると、2017年は平常の状態が続く可能性が高いが、年末にかけてはエルニーニョになる可能性が35-40%にまで上がっているとのことです。

2017年のENSO予測 ( International Research Institute for Climate and Societyより)

この図はエルニーニョ監視海域 NINO3,4の海面温度偏差の各機関の予測モデルをIRIが集計してグラフにしたものです。縦軸は海面温度偏差、横軸は時期を表し、例えばJFMは January February Marchの略で1-3月、FMAは February March Aprilの略で2-4月といったように3カ月ごとの温度偏差の移動平均値を予測しています。

日本の気象庁(JMA)は、この中でも多少ラニーニャよりになっているのが少し見づらいですがわかります。各モデルでは基準値の期間設定が異なるため予測値そのものにも多少の誤差があるそうです。

3dman_eu / Pixabay

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